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ブロック線図

ブロック線図とは、自動制御系の中での信号伝達のありさまを表す線図であって、 次の三つの要素から構成されており、矢印は信号の伝わる方向を示している。

図 1.7: ブロック線図
\begin{figure}\begin{center}
\psbox[scale=0.65]{eps/1-3-2.eps} \end{center} \end{figure}

ブロック線図を作成する手順は次のごとくである。

(i)
系のすべての信号間の関係を示す方程式をたてる。これは一般的 に微分方程式であるが、ラプラス変換した形で表す。
(ii)
これらの式に現れた信号全部を、信号伝達の順序に、すなわち入 力側から出力側へ次々に並べる。(通常は左側を入力、右側を出力とする)
(iii)
相互間を伝達要素、加え合わせ点、引き出し点などを用いて接 続する。
(iv)
ブロック線図が複雑な場合、不必要な信号を消去し、簡略化する。

その等価変換の方法を表1.4に示す。


表 1.4: ブロック線図の等価変換表
\begin{table}\begin{center}
\psbox{eps/Table1-3-2.eps}\par\end{center}\end{table}



。【例2】2容量水位系

図 1.8: 2容量水位系の例
\begin{figure}\begin{center}
\psbox[scale=0.65]{eps/1-3-3.eps} \end{center} \end{figure}

(i)
1.8の系の各信号間の関係は次式で表される。
$\left \{
\begin{array}{l}
Q_1(s)-Q_2(s)=A_1sH_1(s)\\
Q_2(s)-Q_3(s)=A_2sH_2(...
...=\frac{H_2(s)}{R_2}\\
Q_2(s)=\frac{H_1(s)-H_2(s)}{R_1}
\end{array}
\right.$
ただし、$Q_1$$Q_2$$Q_3$は流量、$H_1$$H_2$は水位、 $R_1$$R_2$は流体抵抗、$A_1$$A_2$は底面積を表す。

図 1.9: 信号の流れとブロック線図、等価変換
\begin{figure}\begin{center}
\psbox[scale=0.65]{eps/1-3-4.eps} \end{center} \end{figure}



Yasunari SHIDAMA
平成15年4月9日