(a)安定度
Nyquistの安定判別より、ベクトル軌跡がの点を通るときが、安定、
不安定の境界となる。したがって、この点より離れている度合を安定度といい、
次のように定義されている。
ゲイン余裕
「一巡伝達関数の位相がになる時(位相交点)の周波数において
ゲインがより少ない量」
位相余裕
「一巡伝達関数のゲインが1になる時(ゲイン交点)の周波数において位相が
より少ない角」
図で示すと図1.35のごとくなる。なお通常ゲイン余裕、位相余裕の
適良値は
サーボ機構の場合 ゲイン余裕、位相余裕
プロセス制御の場合 ゲイン余裕以上、位相余裕以上
とされている。
(b)ボード線図による安定判別法
ボード線図において、位相が を通過するときのゲインの値が より低く、またを通過するときの位相の値が より小さければ安定である。
図1.36のは安定な場合、は不安定な場合を示す。
ゲイン図のみでも安定の判別ができ
(i)ゲイン交点におけるゲイン特性の傾斜がで、その前後ある程度この傾斜
が続く場合安定である。
(ii)ゲイン交点においての傾斜の場合は不安定である。