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「根軌跡とは与えられた制御系の一巡伝達関数について、そのゲイン定数を0から∞
まで変化した場合、特性根が複素平面上で描く軌跡である。」
特性方程式を
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(1.101) |
とし、
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(1.102) |
で表わされるとき、これをベクトル表示すると、例えばは図1.37に示す
ごとく
で表される。同様にしては
で表わされるので、次式のように書ける。
図 1.37:
ベクトル表示の例
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これを用いると特性方程式は
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(1.104) |
となり、これを満足する条件は
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(1.105) |
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(1.106) |
となるので、この点に根軌跡が存在する。
したがって、根軌跡の作成手順は
(i)s面上にの総ての極( 印)、零点(印)を記入する。
(ii)任意の点Dに対する各零点及び極からのベクトル角
を求める。
(iii)が(1.106)式を満足するようにD点を求める。
(iv)多数のD点を求めて、その点を結び曲線とする。
(v)各点より、零点までの距離
、極までの距離
を測定し、を求める。
(vi)その点にの値を記入する。
(vii)矢印をの増加の方向につける。
図 1.38:
根軌跡の例
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図1.38は
の例である。極は、の所にあり、点に対する角
の和は(1.106)式を満足している。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年4月9日