先に述べたように、伝達関数を求めるには、系の物理量、すなわち信号間の関係を 示す微分方程式をつくり、すべての初期値を零として微分方程式のラプラス変換を 行うのであるが、この場合系の微分方程式が線形常微分方程式である必要がある。 したがって変数の積、商、乗べき等が含まれている場合は、”重ねの理”が 成り立たず非線形的であって伝達関数は誘導できない。
しかしながら、実際の物理系は厳密にいえば、総て非線形特性をもっている。 ただその変化範囲が小さければ、部分的に線形として表わすことができる。 特に制御工学では平衡状態からの変化分だけを線形として取り扱うのが普通である。
すなわち非線形特性を
いまある定常状態の動作点をとし、入力がその近傍であったとき
実際には次のような線形近似の方法が用いられる。すなわちが小さいとき、