の関数 から時間関数 を求めることをラプラス逆変換といい、 記号 で表す。これは次の複素積分で定義される。
この複素積分は留数を求めることによって得られるが通常は表1.2.1 のラプラス変換表を利用して逆変換を行うことが多い。 そのためには、次の方法によって与えられた関数 を部分分数に分解する。
(1) 重根のない場合
各係数 は
より求められ
となる。
(2) 重根のある場合
重根の部分と重根でない部分に分け、いまという根が重根としたとき
となる。重根の部分の係数は
より求められ、逆変換は
より計算される。なお重根でない部分は前述の方法を適用する。
【例1】重根のない場合
故に
【例2】重根のある場合
複素根の場合も上記の方法を用いることができるが、三角関数の解を直接得るた めには次のような方法を用いるほうが簡単である。すなわち一般に
が複素根を持つ場合
の形に書き直す。ここに である。このとき表1.2.1より
となる。
【例3】
、、、 ゆえ 、、 となり
が得られる。
なお次のような三角関数と指数関数の間の関係を覚えておくと便利である。