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任意の状態変数
で表示されたシステムの状態方程式を
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(2.81) |
とする。これを相変数の状態変数
に変換するための
変換行列を
としたとき
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(2.82) |
で表わすことが出来る。ここに
はの行列で正則と
する。このとき
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(2.83) |
ゆえ、(2.81)式に代入すると
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(2.84) |
となる。したがって
が求められれば任意の状態変数のシステムは
相変数表示に変換することができる。
は次の手順で求めることができる。いま
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(2.85) |
と分解し、次のマトリックスを作成する。但し、
は一列のマトリックスである。
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(2.86) |
この複合マトリックスを次の順序に並びかえ
左から独立なベクトルを個とる。そして、そのベクトルだけを用いて再び
(2.86)式の順序に並べて
とする。すなわち
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(2.87) |
とする。この
は正則であるから、逆行列をとって
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(2.88) |
とし、このうち下から行をとって次の
を作成すれば、それが
相変数への変換行列となる。
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(2.89) |
例
与えられた状態方程式を
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(2.90) |
とする。このとき
である。
ゆえ
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(2.91) |
となり
から
が得られるので
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(2.92) |
となる。
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(2.93) |
であるから、相変数表示の
が得られる。
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(2.96) |
のとき
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(2.97) |
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Yasunari SHIDAMA
平成15年5月12日