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いま二次系の場合のリアプノフ関数を
とする。これが正定であるための条件は
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(2.153) |
である。いま上式を行列で表示すると
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(2.154) |
となり、正定の条件は次の如くなる。
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(2.155) |
一般的にリアプノフ関数を
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(2.156) |
但し
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(2.157) |
で表す。
正定の条件(Sylvester の条件)は次式で与えられる。
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(2.158) |
自由系の場合
になるので、安定のための条件は
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(2.162) |
となる。
通常安定判別を行うときは
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(2.163) |
とし、
に適当な正の対角行列をとり、上式より
を求めて、それが
正定の条件を満足しておれば安定であると判定をする。
[例]図2.14 の系の場合
図 2.14:
sample系
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状態方程式は
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(2.164) |
であり、
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(2.165) |
となる。
とすると、
より
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(2.167) |
になり
が得られる。正定の条件より
となるので、このシステムは安定である。
の選定は必ずしも単位行列とは限らず、計算が容易になるような適当な
対角行列にとる。
のときは持続振動となる。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年5月12日