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ロバスト制御とは

制御対象の実際の特性が、制御系設計の際想定したモデルと多少異なっても制御性を 余り損なわない制御をロバスト制御という。
制御対象の数式モデルは次に述べるような色々な原因によって不確かさを含んでいる。
(i)モデルのパラメータの値が正確に分からない。
(ii)非線形性の影響
(iii)ダイナミックス部分の無視による低次元化
(iv)外乱や雑音の統計的記述に含まれる不確かさ
(v)負荷や運転条件の変化などによる特性変動
例えば航空機の場合、低空を低速度で飛行しているときと、高空を高速で飛行するときとは パラメータは異なってくる。このように実際のシステムのパラメータは変動する場合が多い。

このようにパラメータが変動する場合でも次のような制御性
(i)過渡特性
(ii)安定性
(iii)定常特性
(iv)外乱除去特性
が余り影響を受けないようにすることが問題である。

ここで(i)の過渡特性に関しては、システム感度の問題として扱われる。(ii)の安定性 に関しては、パラメータ変動によって安定性が失われない変動範囲、あるいは安定余裕 の問題として扱われる。



Yasunari SHIDAMA
平成15年5月12日