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サンプラは図3.2に示すごとく連続的入出力波形を周期で
サンプリングして出力波形としてパルス列を出す。
図 3.2:
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サンプリングされた個々のパルス信号を
で表すと、パルス列は次式で表される。
いま、では、ではなる連続関数をサンプリングした場合
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(3.3) |
となる。これをラプラス変換すると
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(3.4) |
となる。この式によりが領域で表されたことになる。
のラプラス変換にはもう一つの形がある。すなわち
を図3.3のごとく連続信号をパルス列で変調したもの
として考える。このパルス列は図3.4のごとき方形波
において、での極限値の場合とする。
図 3.3:
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図 3.4:
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一般に周期関数は次のフーリエ級数で表示することができる。
これに図3.4の波形を適用すると
となる。そしてとし、の極限値を求めると、上式の
第2項はとなり、第3項の
は
となる。
したがって
となる。
をで変調した信号は
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(3.8) |
となり、上式をラプラス変換すると
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(3.9) |
となる。これがのラプラス変換のもう一つの形である。
上式でとおくと
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(3.10) |
となる。この式から次のことがいえる。
の周波数特性
の図が図3.5のごとく
からまでであとは
であったとすると、
の周波数特性
は
(3.10)式より図3.6のようになる。この図の場合は
の場合であり、このときは、
を中心とする周波数特性は重なり合わない。
したがって、が
からまでの間だけ通過する理想的な
ろ波器を通過させることによりもとの
の周波数特性にすることができる。このことから次の
シャノンのサンプリング定理が云われている。
「最高の周波数としてま、での周波数成分を含む信号をサンプルし、
ついでこのサンプル値からフィルタを通してもとの信号を取り出しうるためには、
サンプリング周波数
がの少なくとも2倍、すなわち
でなければならない。」
実際にはとしてはの10倍あるいはそれ以上のものを
用いるのが普通である。
図 3.5:
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図 3.6:
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Yasunari SHIDAMA
平成15年6月9日