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非線形システムが
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(5.206) |
で与えられたとき、
を平衡点の状態ベクトルとして
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(5.207) |
とし、
が微小であるとすれば、テーラー展開をして
上式より
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(5.209) |
となる。
は
の高次の項を含んだものである。いまリアプノフ関数を
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(5.210) |
とおいたとき
となるから、上式が負となったとき安定であり、またが安定限界で
ある。
[例]
いまシステム方程式を
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(5.212) |
とする。
原点を平衡点とした場合、
ゆえ
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(5.214) |
以降は0となるので
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(5.215) |
となる。したがって(5.211)式は
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(5.216) |
となる。いま
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(5.217) |
とおくと、
ゆえに
より
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(5.219) |
したがって
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(5.220) |
となり、(5.213)式は次のようになる。
ゆえには
となり、図5.47で示すこの曲線の下側は安定領域である。
線形近似として扱う場合には、が
の円内にあれば安定な微小範囲といえる。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年7月28日