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システム方程式を次のような時変系とする。
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(5.222) |
この場合リアプノフ関数を
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(5.223) |
としたとき、
は時間微分可能な関数である。ゆえに上式を微分すると
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(5.224) |
となる。したがって
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(5.225) |
とおき、
が正定対称行列であれば
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(5.226) |
となり、安定な系であることを示す。
[例]
システム方程式が
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(5.227) |
ただし
であるとする。
上式は
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(5.228) |
と表される。いま
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(5.229) |
とおいた場合、リアプノフ関数は
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(5.230) |
となり
より
となる。
が正定であるという条件より、
であり、かつ
の条件が与えられているので、の値に拘らず
が負になるためには
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(5.233) |
でなければならない。そこで両式よりを消去すると、
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(5.234) |
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(5.235) |
となる。
の最大値はそれぞれ1であるから
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(5.236) |
にとってあれば、のいかなる値に対してもは負となり、このシステ
ムは安定である。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年7月28日