: この文書について...
: ストーンの同型定理
: 上のブール代数の構造
がブール代数として、 が 上のブール代数の真の
フィルターというのは
は 上の真のフィルター は順序「 」ついて帰納的順序集合
- [証明]
- まず,
で, は について順序集合なので,
も順序集合.
次に が順序 での の空でない全順序部分集合とすると,
は 上の真のフィルター
- (証明)
- (F1)
-
を任意にとって, とすると
から
このような を選ぶと, と から,
は真のフィルターだから,
よって
ゆえに
となり
は任意にとったから
- (F2)
-
を任意にとると,
このような
を選んで,
とすると
は について全順序だったから
または
ここで
の場合を考えると
よって
だから
の場合も全く同じ.
結局
- (F3)
- は空でないから
このような を選べば は真のフィルターだから
よって
ゆえに
- (F4)
- とすると
このような を選ぶと であり,しかし は
真のフィルターだから
で矛盾.
(証明終)
が 上の真のフィルターだから
の作り方から明らかに
よって は順序 について の での上界
の任意の空でない全順序部分集合 が上界をもつから は帰納的
[証明終]
は順序 について 帰納的順序集合なのでZornの補題から
極大な元が存在.
- (定義3)
-
は 上の真のフィルター は極大
- (定義4)
- について
とすると
が定義できる.
よって写像
が定義される.
については以下が成り立つ.
- (*1)
- は 上の順序関係である.
- (*2)
- について
- (*3)
- 任意の
について,
のとき
- (*4)
- を 上の極大な真のフィルターとするとき
- (*4の証明)
- を任意にとり;
とすると のとき, (*2) から なので は真の
フィルターなので(F1)から
同様に のときも
逆に として
と
すると:
- (証明)(F1)
-
を任意にとり, とすると
の定義から
(*3) から
は真のフィルターだから
よって
- (F2)
-
を任意にとると
の定義から
は真のフィルターだから
よって の定義から
- (F3)
-
は真のフィルターだから
よって の定義から
- (F4)
- とすると の定義から
これは仮定
に矛盾.
よって
(証明終)
の作り方から
- (証明)
- を任意にとると (*2)から で
は真のフィルターだから
は任意だったから
よって
一方, の定義から ,仮定から
よって
(証明終)
しかし, は極大な真のフィルターだったから により となり矛盾
(*4の証明終)
がいえる真のフィルター を素フィルターといいます.
- (*5)
- を 上の真のフィルターとするとき
特に が極大な真のフィルターとするとき
- (*5の証明)
- を 上の真のフィルターとし を任意にとると,
とすると F2から
で (F4) の
に矛盾
特に が極大な真のフィルターとするとき
から (*4) により
よって
(*5の証明終)
がいえる真のフィルターを超フィルター(ウルトラフィルター)(ultrafilter) と
いいます. 超フィルターは常に か のどちらか一方のみが の要素と
なるような真のフィルターです.
(*5)は,次の命題に集約されます.
- (命題)
- 上の真のフィルター について, 次の は同値である.
- は極大フィルターである.
- は超フィルターである.
- は素フィルターである.
(命題終わり)
- (*6)
- を 上の真のフィルターとするとき
- (*6の証明)
- を 上の真のフィルターとし, を任意にとる.
なら (F2) により
逆に
なら (*2) から
で (F1) により
(*6の証明終り)
- (*7)
- とすると
は真のフィルター
- (*7の証明)
- (F1)
-
を任意にとり, とすると
から が順序関係なので(*1)
で
よって
- (F2)
-
を任意にとると
から
で
よって
- (F3)
- から
よって
- (F4)
- とすると
また から
で結局 となって矛盾.
(*7の証明終)
- (*8)
- を 上の真のフィルターとし,
とおくとき
- (*8の証明)
- の定義より任意の について だから
を示すため,
を示す.
( は 上で) とすると
- (証明)
- これを否定した
を仮定すると,
これを充たす を選んで,
よって
これから, となり矛盾
(証明終)
を
の元の有限個の積全体
とおき,
とすると, は 上の真のフィルターで,
- (証明)
- まず, の定義式中,
とおけば そこで の定義式中, と置けば,
以下, が 上の真のフィルタであることを示す.
- (F1)
-
を任意にとり とすると
の定義から
このような を選び, とすると から
よって の定義から
- (F2)
-
を任意にとると の定義から
このような を選び,
とすると
(*2から)
の定義から
このような
と
を選べば
よって
よって の定義から
- (F3)
- まず, の定義式中, とおけば
の定義式中, と置けば,
- (F4)
- とすると の定義から
の定義から
このような
をとると
よって
ここで
であるから
の中で と等しいものがあると矛盾する.
従って,
は全て の元
しかしこれから
となって矛盾.
(証明終)
よって は 上の真のフィルターで,
は 上の真のフィルター
とおくと は順序 について帰納的順序集合で
となる極大な真のフィルター が存在.
- (証明)
- 前節の解答「 は 上の真のフィルター が順序
について帰納的順序集合」と殆ど同じなので、違うところだけ
書きます.
が の空でない全順序部分集合なら が 上の真のフィル
ターで,
であることは全く同じで,
の定義と から
で
よって
で は の 上での
上界
の空でない任意の全順序部分集合が 上での上界をもつから は
順序 について帰納的
(証明終)
であるから であることに注意して
Zornの補題からKの極大元xが存在.これは
を充たしている.
xは極大なので、
よって
すなわち
(*8の証明終)
- (*9)
-
について:
- (*9の証明)
- のときは
で、
から
よって .
のとき(*7)からは上の真のフィルターで
は
となる上
の極大な真のフィルターx全体の集合と等しい.
- (証明)
- のとき
を任意にとると
ゆえ (F1)により
は任意にとったから
逆にを
となる上の
極大な真のフィルターとすると
自身 で
よって
すなわち
(証明終)
よって、(*8)により
(*9の証明終)
以下
について
- [証明]
- (1)
- を任意にとり、とする.
の定義から
で
の定義から
で
(*9)と仮定から
で
全く同様に
で
よって
- (2)
- を任意にとり
を任意にとると は上の極大な真のフィルターで
よって(*4)から
これから
よって
を任意だったから
逆に、
を任意にとると,
よって
(*2)から
なので
どちらの場合でも
従って、
を
任意にとったので
結局、
- (3)
- を任意にると
よって
- (4)
- を任意にとると
よって
[証明終リ]
はブール代数です。
- [証明]
- これは
で、今まで何度か出てきましたように
がブール代数ですので、
と、が
について閉じていることを示せばいいわけです。
が部分宇宙(部分ブール代数)であることをいえばいいので,
についてのみ閉じていることを示せばいいです.
の定義から
, (左辺のは空集合の意味です。)
の定義とから
のとき
でこのようなをとれば、を用いて
同様にを用いて
またを用いれば
よって、が
について閉じています。
[証明終]
既に証明した
(命題)
ブール代数の同型写像の逆写像は,またブール代数の同型写像である.
(命題終わり)
により
とはブール代数の構造について同型。
その同型写像は
で定義される。
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Yasunari SHIDAMA