: 行列の対角化
: Dsys
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狼とウサギがある地域に生きている様を想像しましょう.ウサギは,草を食べ,
子孫を増やし,狼はそのウサギ゛を食べ,やはり自分の子孫を増やしていきます.
今の世代の個体数は,その前の親の世代の個体数に依存します.
狼が増えすぎて,ウサギを食べ過ぎて少なくなったら,狼も食料が少なくなって
狼も数が減ります.逆に,狼が少なくなりすぎて,ウサギが増えすぎたら,草が食べ
尽くされてウサギの餌がなくなりウサギが減少,それに伴って狼もというようにです.
実際の自然界では,人間と言う「外乱」が邪魔をしない限り,それぞれの生き物達が
絶妙のバランスを保って生きています.生態系を表すモデル式の詳しい話しは別の
機会として, と で今のウサギと狼の個体数, と で, 年後のそれぞれの個体数を表すとすれば,ウサギと狼の個体数の変化を表す式は
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(1) |
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(2) |
という式で表されるでしょう.この式の意味するところは, 年後の
ウサギと狼の個体数がその前の年のウサギと狼の個体数 と で決まる
事を表しています.
狼とウサギが生きている環境は毎年同じ(気象の変動や,人間の環境破壊など
外乱は無いもの)としています. や がどんな関数を表すかは取り合えず置いて
おきますが,このような方程式は,生態系に限らず,物理系,機械系,社会経済,
etcにも現れます.(無論,計算機関係にも)
今後,このような式を扱って行くわけですが,先ずは最も簡単なものから手を付けます.
式の替わりに
を扱います.
は定数とします.
行列とベクトルを使えば,
として
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(3) |
と表すことができます.
から始めて
式から
でさらに
続けると
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(4) |
となります.
まずは手始めに,
という特別な場合を考えましょう.
ですから
さて以下の練習問題を解いてください.
練習問題 1
- [(0)]
のとき
- [(1)]
のとき
- [(2)]
のとき
- [(3)]
のとき
- [(4)]
のとき
とするとはどうなりますか?
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: Dsys
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Yasunari SHIDAMA