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補足:命題論理・ブール代数・集合論の対応について

命題論理・ブール代数・集合論の対応関係は,例えば,

[命題論理の世界] 論理記号を $\vee (or), \wedge (~and~), \sim (not),
\Leftrightarrow$ (equivalent,同値記号) とします。
また, $T$ を truth(真), $F$ を falsum(偽)(真理値)とします。

(1)-P
$A \wedge (B \vee C) \Leftrightarrow (A \wedge B )\vee (A \vee C); $
(2)-P
$ \sim (A \vee B) \Leftrightarrow \sim A \wedge \sim B ; $
(3)-P
$A \vee \sim A \Leftrightarrow T;$
(4)-P
$A \wedge \sim A \Leftrightarrow F.$

[ブール代数の世界] 

(1)-B
$A \cdot (B+C)=(A \cdot B)+(A \cdot C);$
(2)-B
$-(A+B)=(-A) \cdot (-B);$
(3)-B
$A+(-A)=1;$
(4)-B
$A \cdot (-A)=0.$

[集合論の世界] ある集合の体 $X$ について,任意の集合 $A,B,C \in X$ について(当然, $A,B,C \subseteq \cup X$ です),

(1)-S
$A \cap (B \cup C)=(A \cap B) \cup (A \cap C);$
(2)-S
$(A \cup B)^c=A^c \cap B^c;$
(3)-S
$A \cup A^c= \cup X;$
(4)-S
$A \cap A^c=0.$

上の記号法では,3つの世界の記号は下のように対応しています,


\begin{displaymath}
\begin{array}{ccc}
[命題論理の世界]& [ブール代数の世界]& [..
...th) & 1 & \cup X \\
F (falsum)& 0 & 0(空集合) \\
\end{array}\end{displaymath}

特に,すべての有限ブール代数はある空でない集合 $X$ のべき集合 $P(X)$ のブール集合代数(特にこの場合べき集合代数という)と同型です。
前に証明すると予告した, ブール表現定理「すべてのブール代数はブール集合代数と同型である」は,より一般の場合です。
有 限ブール代数の場合の同型定理も証明すると思います。
上の定理より,すぐに有限ブール代数の要素の個数は2の $n$ 乗(ある $n$ について)であることがわかります。


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Yasunari SHIDAMA