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その他の補償方法

(a)位相進み遅れ補償

位相遅れ補償は安定度と定常偏差を改善するが速応性を悪化させる。一方 位相進み補償は速応性が良くなる。それで両者を組み合わせて特性をさらに改善する 方法であり、その伝達関数は

\begin{displaymath}
G_c(s)=\frac{(1+saT_1)(1+sbT_2)}{(1+sT_1)(1+sT_2)}\hspace{2cm}
\mbox{ただし、}a>1,b<1
\end{displaymath}

の形をしている。前二項の方法を適用して設計することができる。
(b)フィードバック補償

フィードバック補償は図1.46に示すごとく適当な伝達関数をもつ伝達要素を局部的な フィードバックとして加え特性を改善する方法である。

図 1.46: フィードバック補償
\begin{figure}\begin{center}
\psbox[scale=0.50]{eps/1-8-6.eps} \end{center} \end{figure}

パワーレベルの高い点から信号を受けるので、増幅器を用いないでも行え、かつノイズ による影響が少ない利点があるが、補償後の特性を検討するのは直列補償ほど容易ではない。

後述する現代制御理論で、フィードバックによる特性改善の問題は取り扱われているので、 細部はそちらに譲る。


Yasunari SHIDAMA
平成15年4月9日