制御系を設計する場合、“良い特性”を持つようにすることが必要であるが、 “良い特性”とは何かということが問題となる。従来の古典制御理論においては、 定常偏差、位相余裕、帯域幅、共振値等というものを目安にしたり、或いは誤差面積、 二乗誤差積分(ISE)、またそれらに時間を掛けたもの等を評価の対象とし、 これの最小のものを“良い特性”として扱ってきた。
現代制御理論では、各状態変数、各入力変数についても考慮する必要があるので、 それぞれに対する重要度を加味した形で評価をする評価関数というものを定義し、 それが最小となるものを“良い特性”として扱う。
すなわちシステム
上記の評価に際し、通常初期状態 は既知であるが、最終時間 は指定されている場合と、指定されていない場合がある。
(2.169)式の形の評価関数をLagrange形という。評価に最終状態を加えた
次のような評価関数を用いることもある。