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図3.18に示す閉回路のパルス伝達関数は
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(3.54) |
であり、特性方程式は
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(3.55) |
である。特性根を
とすると(3.54)式は部分分数に展開でき
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(3.56) |
となる。ただし重根のない場合であり、
は定数である。
図 3.18:
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そこで、項について逆変換すると、
となるから
で表される。
いまの実数部を
、虚数部を
としたとき、
にした場合、上式は
なら |
収束する |
なら |
振動が持続する |
なら |
発散する |
そこで任意の極は
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(3.59) |
と書けるから、
のとき、
ゆえ、
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(3.60) |
となる。これが安定限界であって、単位円周上の点を意味している。
したがって、安定のためには
でなければならないから、面上の極が全て
単位円内になければならない。このことから、
安定の条件は次のように云える。
「パルス閉回路伝達関数の極が、全て面の単位円内にあれば、
そのサンプル値系はサンプリング時刻に関する限り
安定であり、また一つでも極が単位円外に存在すれば、
不安定である。」
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Yasunari SHIDAMA
平成15年6月9日