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いま閉回路のパルス伝達関数を
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(3.78) |
とすると、これを書き直すと
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(3.79) |
となる。そこで閉回路のパルス伝達関数
の形をあらかじめ規定すれば、
の伝達関数が逆に定まって来て、それより
が求められる。
したがって次のような手順で設計を行う。
- #1.
- 要素性能に基づきを規定する。
- #2.
-
を求める。
- #3.
- 上式に相当するラプラス伝達関数
を求める。
- #4.
-
より補償要素
を求める。
[例] の補償対象で、ランプ入力に対して
定常偏差を零とする特性をもたせる。
ランプ入力の場合
であるから定常偏差を零にするには
とする必要がある。この場合
が
の項を含んでいればよいので
とすると
となり
となる。が零次ホールド回路の場合
となり
となる。これを逆変換して領域に戻すと
となり、
これが求める補償要素の伝達関数である。
Yasunari SHIDAMA
平成15年6月9日