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いま図3.8において、サンプラとが同期して開閉する
ものとする。入力がサンプリングされてパルス列 となり、こ
れがなる伝達関数をもつ伝達要素に加わる。伝達要素を通過すると各パル
スはインパルス応答をするので、伝達要素の出力は再び連続信号となる。すなわ
ち出力となる。これを再度サンプリングするとパルス列となる。
図 3.8:
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たとえば、図3.9に示すごとく入力として単位パルス列
が伝達要素に加わったとする。その場合の時点から#1パルスの
インパルス応答が現れる。の時点ではその応答の一部が
まだ残っており、そこに更に#2のパルスのインパルス応答が加わる。
したがって出力パルス列はこの両者の和となる。
さらにの時点では#3パルスのインパルス応答が加わることになる。
以上のごとく、出力は各入力パルスのインパルス応答の和となる。
いま一般に入力パルス列を
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(3.24) |
とする。また出力パルス列を
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(3.25) |
とする。さらに、伝達要素に単位パルスを加えたときの
出力パルスのパルス列を
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(3.26) |
とする。
にのパルス列を加えた時の出力はの時点で
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(3.27) |
となり、の時点で
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(3.28) |
となる。の時点では
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(3.29) |
となる。として以上を合計すると
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(3.30) |
となる。
したがって出力パルス列と入力パルス列の比を求めると
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(3.31) |
となり、伝達関数の変換となる。これをパルス伝達関数という。
図 3.9:
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Yasunari SHIDAMA
平成15年6月9日