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可制御性
システム方程式
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(4.109) |
で与えられるシステムが、任意の初期状態
から、任意の希望値
に有限時間で達せられる場合を可制御という。
いま、が
と変化した場合(ただし)
は、
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(4.110) |
となる。そこでもし
となれば可制御であるといえる。
は任意であるから、
という原点にとると
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(4.111) |
となり、さらに
を両辺に掛けると
ただし
となる。
のうち個の
線形独立なベクトルがあれば、任意の初期値から任意の希望値に有限時間で
達せられる。すなわち可制御である。特にの場合は
が正則であれば可制
御である。
[例]システム方程式
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(4.113) |
の系を離散値系にしたときの可制御性を検討する。
上式を離散値系の状態方程式で表現すると
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(4.114) |
となる。ゆえに
より
が特異行列ではないので可制御である。
Yasunari SHIDAMA
平成15年6月30日