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状態方程式は
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(4.99) |
であるから、の各値に対して
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(4.100) |
となる。これを遷移マトリクスで表示すると
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(4.101) |
となる。この式に各入力信号と初期値を与えれば過渡応答が計算される。
この式と(4.90)式と比較すると右辺の第1項の
の変換を
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(4.102) |
とすると両辺の対応が得られ、第2項の変換にConvolution(たたみ込み)定理を
適用すると
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(4.103) |
となるので両式の対応が得られる。
したがって遷移マトリクスは(4.103)式の逆変換からも得ることが
できる。
[例]次のシステム
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(4.104) |
の過渡応答を求める。
(4.103)式より遷移マトリクスを求める。
したがって
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(4.107) |
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(4.108) |
ただし、この場合が0の時点以降に現象が生じるので、のとき
は0として扱う。すなわち
となり、(4.97),(4.99)式の関係と等しくなる。
(4.109)式の第3項はの時の入力はの時に始めて現
れてくることを意味している。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年6月30日