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断片的線形化法(Piece-wise Linear Method)とは、非線形特性を断片的に線形
化をし、その区間においては線形制御系として取り扱い、区間の切喚点において
は、前区間の最終条件をつぎの区間の初期条件としていく方法である。
制御要素の中に非線形特性が含まれている場合も通常は図5.19のように線形要素と
非線形要素に分離して取り扱う。この場合、制御方程式は
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(5.74) |
と書かれるが、非線形要素が図5.20(a)の様なオン・オフ特性のときは
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(5.75) |
となり、(b)のような飽和特性のときは
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(5.76) |
となり、(c)図のような自乗特性のときは
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(5.77) |
となる。ただし、 とする。
したがって、の値に応じて、それに対応するの値を用いた線形系として扱い、
の値が次の区間に変わるとき、前の区間の最終条件を次の区間の初期条件と
して用いる。
[例]自乗特性をもつ制御系
図5.21に示すような自乗特性をもつ制御系にのステップ入力が加わったとする。
図より、であるから、(5.79)式より
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(5.78) |
となり、制御方程式は
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(5.79) |
となる。最初の区間ではでゆえ
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(5.80) |
となり、でに達したとすれば
となる。これ以後次の区間に入るから、その区間の初期条件をでとすれば
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(5.81) |
となる。すなわち
の間は(5.82)式の特性で、また
では(5.83)特性で表される。これを描いたのが図
5.22である。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年7月28日