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前述のごとく、状態遷移法によってシミュレーションを行う場合一般に
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(7.52) |
の形で取り扱うのであるが、この式が図7.2のように、サンプリングと
ホールドを通して制御対象を駆動するときには、(7.52)式を
同次方程式に変換して取り扱うことができる。
これを例によって示す。いま制御対象の伝達関数を
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(7.53) |
とし、これをNested Programmingで表示すると、
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(7.54) |
となる。ここではサンプリングをホールドしたものであるから、断片的に
一定値である。したがって
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(7.55) |
但し
で表される。
これは、図7.3に示すごとく、積分器の入力が0で初期値が
各サンプリング時点においてであるのと等価的に考えられる。
このように考えてシステムのブロックダイヤグラムを描くと図7.4の
ようになる。
この図の状態方程式は次のように書くことができる。
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(7.56) |
但し、
したがって初期値を
としたとき、のときでは
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(7.57) |
ここで
はを含めたシステム方程式のシステムマトリックス
である。この結果から一般的に
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(7.58) |
として表すことができる。この式は同次方程式であり、この式を用いて
シミュレーションをすれば指数項の計算が少なくてすむ利点がある。この場合
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(7.59) |
より求められる。
次に離散値系のシミュレーションに際し、サンプリング時点間の挙動を見る
方法について述べる。
いまサンプリング同期に対して、その間の任意の等分時間をとし
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(7.60) |
とおいたとき、サンプリング時点間の挙動は、例えばの場合
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(7.61) |
より求められる。
これを同次方程式に変換して求めるときは
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(7.62) |
の式を用いる。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年7月29日