: 同値変換の系
: Dsys
: 行列の対角化
で表される系についての議論でした.
(3)式から
となりますが, をどう計算するかということになり,
行列 の対角化の話になりました.
にある行列 とその逆行列 を左右からかけて,
という積を作り,これが
となったとすると(これを の対角化と言います)
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(20) |
で,
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(21) |
となります.
このような を求めるために,
の固有値と固有ベクトルを求める問題
を考えました.
行列式による固有値 についての2次方程式(これを固有方程式)
に2つの異なる実数根 がある場合を扱いました.
今度はこの場合以外を考えます.
- (a)
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まず,方程式(8)が共役複素数根
をもつ場合.
この場合は,2つの異なる実数根 がある場合と同じですが,行列 の要素が複素数になります.また を対角化した行列 も要素が複素数になります.
実数で表される系(3)式の話しに複素数? と不思議に思われるかもしれませんが,実数の要素だけの行列 と要素が複素数の行列 は
で関係付けられていて,「帳尻」はあっています.
練習問題3
について,上の式を確認してください. を求めてください.
- (b)
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方程式(8)が重根 をもつ場合.この場合はAがもとから対角線上にaが並ぶ対角行列である場合と、そうでない場合に分けられます。後者の場合対角化はできませんが,ある という行列で
の形への変換が可能です.(これをジョルダン標準形といいます)
練習問題4
について,上の式を確認してください.この場合 はどうなるでしょうか.
: 同値変換の系
: Dsys
: 行列の対角化
Yasunari SHIDAMA