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運動の制御能力

一般的な $N$ 車輪の移動体の運動を考察する.それらの装置は最小3車輪が必要である.最も一般的な形態は4車輪形態である.車軸は移動体座標系と一定の位置関係を保つ.幾何学的変数を適当に選ぶことで,移動体は3車輪の回転速度のよって制御することができる. 車輪の回転速度 $\dot \theta_i$ とスライド速度$\sigma_i$ は,次のように表すことができる.
\begin{displaymath}
\left\{ {\matrix{{\dot \theta _1}\cr
\vdots \cr
{\dot \th...
... {\matrix{{v_1}\cr
{v_2}\cr
{\dot \psi }\cr
}} \right\},
\end{displaymath} (6)


\begin{displaymath}
\left\{ {\matrix{{\sigma _1}\cr
\vdots \cr
{\sigma _N}\cr...
... {\matrix{{v_1}\cr
{v_2}\cr
{\dot \psi }\cr
}} \right\},
\end{displaymath} (7)

行列 $[R]$$[S]$ の成分は,移動体の幾何学変数から定数の係数として決まる. 移動体の運動をその車輪の貢献によって制御するためには,行列 $[R]$ のランクは3に等しくならなければならない.もし車輪が3輪であるならば,車輪1,2と3の移動体の運動は制御されなければならない,行列 $[R]$ の最小 $[R_C]$ はそれらと関連し,零に等しくならない.そのような場合は,

\begin{displaymath}\left\{ {\matrix{{\dot \theta _1}\cr
{\dot \theta _2}\cr
{\...
...eft\{ {\matrix{{v_1}\cr
{v_2}\cr
{\dot \psi }\cr
}} \right\}\end{displaymath}

のようになる. または,
\begin{displaymath}
\left\{ {\matrix{{v_1}\cr
{v_2}\cr
{\dot \psi }\cr
}} \r...
...}\cr
{\dot \theta _2}\cr
{\dot \theta _3}\cr
}} \right\}
\end{displaymath} (8)

となる. 車輪の回転速度を記述している行列 $[R_C]$]の列は,移動体の点Oまわりの縦(1軸)と横(2軸)と回転の各単位基本動作を得るために必要である.もし他の車輪が同様にモータによる駆動であるなら,運動の適合性は式(2.5)を満足させる回転速度が必要となる.

Shoichiro FUJISAWA