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安定の概念

「瞬時的な外乱を与えたとき、時間の経過につれて系が再び平行状態に落ちつけば 安定であるといい、これに対して系が平衡点からますます離れていくとき 不安定であるという。」

1.52)式より閉回路伝達関数は

\begin{displaymath}
G_c(s)=\frac{G(s)}{1+G_0(s)}
\end{displaymath} (1.96)

となり、特性方程式は
\begin{displaymath}
1+G_0(s)=0
\end{displaymath} (1.97)

である。特性方程式の根を $s_1,s_2,\cdots ,s_n$としたとき、 (1.96)式のインパルス応答は
\begin{displaymath}
x(t)=\sum _{i=1}^nK_ie^{s_it}
\end{displaymath} (1.98)

になる。もしも$s_i$の実数部が正のとき、$t\to\infty $に対し、 その項は$\infty $になり、したがって$x(t)$は0に戻らない。すなわち 不安定である。このことから、安定の条件として

「特性方程式の根の実数部が総て負であれば、制御系は安定である。」
ということができる。



Yasunari SHIDAMA
平成15年4月9日