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状態方程式
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(2.98) |
を初期値をとしてラプラス変換すると、
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(2.99) |
となる。上式より
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(2.100) |
となり、従って
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(2.101) |
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(2.102) |
伝達関数行列は
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(2.103) |
となる。単入力・単出力システムのときは
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(2.104) |
となる。
のすべての要素は分母が分子より1次以上高いの有理関数となる。
一般に有理関数行列
は
がでない定数行列のとき
プロパ(proper)といい、
のとき厳密プロパ(strictly
proper)という。(2.103)式の形の
は常に後者となる。
の分母は
であるから
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(2.105) |
が特性方程式となり、この式の根を固有値(特性根)という。
例
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(2.106) |
の場合
ゆえ
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(2.107) |
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(2.108) |
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(2.109) |
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(2.110) |
伝達関数は
になる。
特性方程式は
であり、固有値はおよびとなる。
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(2.112) |
ゆえ
となり、
の部分と
の
部分が交換可能であることがわかる。従ってどちらか一方がのとき
両者の積もとなる。
いま
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(2.114) |
とすると
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(2.115) |
になる。
を代入すると
となり
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(2.117) |
になる。(2.117)式の関係をケーリー・ハミルトンの定理という。
前例の場合、ゆえ
となり、同定理の成立することがわかる。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年5月12日