非線形をも含めた場合、安定性については種々の定義が考えられている。
ある の中から出発する解軌道が 図2.11 に示すように となっても、ある状態空間 よりも外に出ないとき安定という。
すなわち
上記の安定性を満足していると同時に、原点 の十分近くから出発した 軌道が最終時間において に収束する場合を漸近安定という。
すなわち 図2.12 に示すように において
この収束の仕方が によらず均一に行われるとき均一漸近安定 (equiasymptotically stable)といい、 によらず均一漸近安定のとき 一様漸近安定(uniformly asymptotically stable)という。
上記の意味での安定であり、 のときすべての軌道が に収束する場合を大局的漸近安定という。この場合は全状態空間について いうので、 は必ずしも の近傍とは限らず大局性がある。
本章では線形固定系について取り扱うのであるが、その場合はこの安定性の定義が 適用される。