リアプノフの第2法則による安定判別は、「状態空間において、原点を包囲する あらゆる大きさの閉曲面を考え、この閉曲面を で表示した場合、この は 状態変数 よりなる関数であって、原点では であり、 かつ の全状態空間では確実に正(これを正定という)であるものとする。 この をリアプノフ関数という。そしてある状態点の軌道が で表示される 閉曲面を総て外側から内側に向けて貫くときは、その系は安定であり、内側から 外側に向けて貫くときは不安定である。」ということである。
なお、正定(Positive Definite)とは のとき で、 とき の場合を いい、 のときを準正定(Positive Semidefinite)という。例えば、 は正定であり、 は 準正定である。
上記の安定判別の考え方において、リアプノフ関数 を原点より状態点 までの物差しとして考えてみる。例えば 図2.13 において軌道の動きが から という小さい方に移って行くとき であり、 最終的に平衡点に達するようになり安定であるということが云える。
すなわち、「
のとき
でかつ
であり、
のとき
であれば漸近安定である。」
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