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(3.4)式において
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(3.11) |
とおくと
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(3.12) |
となり、はの関数となる。このようにの関数に変換することを
変換(-transform)という。
与えられた関数が時間領域で表示されている場合には、のをに
書き換えとし、(3.12)式に適用する。
なお、この場合
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(3.13) |
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の公式を用いて簡単化する。
[例]
の場合
をに置き換え
とし、(3.12)式に適用すると
となる。
(3.8)式より
ゆえこれをラプラス変換すると、
で表される。
は単位パルス列信号ゆえ、(3.4)式より
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(3.15) |
となるので
となる。
ただし、
で分母の次数の方が高いとする。
をに書き換えの根を
とし、重根を
含まないとき
となる。
多重根の場合、例えば
の場合
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(3.18) |
で表されるから
となる。したがって、与えられた関数が領域で
表示されている場合の変換の
手順は次のごとくである。
重根を含まない場合
- #1.
-
とする。
- #2.
- の根
を求める。
- #3.
-
を求める。
- #4.
-
より変換を行う。
ただし、はの根の数
重根を含む場合、重根の部分を
として、変換を行う。
[例1]
の変換を求める。
- #1.
-
- #2.
-
- #3.
-
- #4.
-
[例2]
の変換を求める。
代表的な関数の変換表を表3.1に示す。
表 3.1:
変換表
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F(s) |
f(nT) |
F(Z) |
1 |
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2 |
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3 |
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4 |
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5 |
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6 |
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7 |
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8 |
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9 |
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10 |
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なお
のとき
である。(すなわち、先に変換をして積を求めてはならない)
例えば
のとき、表3.1より
であり、はとの積とは異なる。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年6月9日