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を逆変換したときには、各サンプル時点のときの値、が求まる。
その定義式は
である。積分路はの全ての特異点を内部に含むような
閉曲線にとる。
この積分を解くには、Cauchyの定理を適用し、留数を求める。
したがって、の根が重根を含まない場合の逆変換の手順は
- #1.
-
とする。
- #2.
- の根、
を求める。
- #3.
-
を求める。
- #4.
-
が解である。
の根が重根の場合は
として
|
(3.21) |
より求める。
[例1] 重根を含まない場合
の逆変換を求める。
- #1.
-
- #2.
-
- #3.
-
- #4.
-
[例2] 重根の場合
の逆変換を求める。
で与えられたとき、級数に展開し、
|
(3.22) |
となるから、
|
(3.23) |
より求める。
[例]
の逆変換を求める。
すなわち
となり、これを時間領域に戻すと
となる。これを図示したのが図3.7である。
これからもわかるようには1サンプリング遅延することを意味している。
図 3.7:
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Yasunari SHIDAMA
平成15年6月9日