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連続系の場合と同様、平衡点を包囲し全状態変数より構成され、正定の値をもつ
リアプノフ関数
を考える。このリアプノフ関数が各サンプリング毎に
次第に縮小され、
のとき
となり
となって停止すれば安定であるといえる。
図 4.17:
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いま図4.17のような制御系を考える。この系の状態方程式は、自由系
として次のように書くことができる。
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(4.123) |
いまリアプノフ関数を次のように定める。
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(4.124) |
このリアプノフ関数は正定であり、これが時間の経過と共に小さくなり原点に達
すれば漸近安定である。そこで番目と番目を比較し
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(4.125) |
となれば、リアプノフ関数が次第に縮小することになる。
ゆえに、(4.126)式に(4.125),(4.124)式を代入すると
となる。したがって
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(4.127) |
のとき
が負となり、安定となる。すなわち
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(4.128) |
が安定の条件である。
一般的にはリアプノフ関数を線形次の系では
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(4.129) |
ただし
で実数
にとるから、これをベクトル表示すると
となり、正定の為には
はシルベスタの条件
を満足しなければならない。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年6月30日