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描画の正確性

6.9は,リミットスイッチで描画したものである.それに対して図6.10が直動型ポテンショメータの装置で描画したものである.図6.9が斜線が階段上の補間軌跡に対して図6.10ではほぼ滑らかな直線が描画できていることがわかる.なお,図6.11は通常のマウスで描画したものである.

Figure: リミットスイッチによる描画結果
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\psbox [width=10.79cm]{H69.eps}
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Figure: 直動型ポテンショメータによる描画結果その1
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\psbox [width=11.17cm]{H70.eps}
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Figure: マウスによる描画結果
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\psbox [width=11.43cm]{H71.eps}
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Figure: 直動型ポテンショメータによる描画結果その2
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\psbox [width=11.17cm]{H72.eps}
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直動型ポテンショメータの場合,比較的大きな円は描画が可能であったが,小さな円は描画できなかった.図6.12にその結果を示す.よって,精密な操作が行える装置の改良が必要である.また,リミットスイッチとポテンショメータの試作機とでは操作性が異なった.障害の程度や個人差によって使い分けることが必要と考えられる.また,ポテンショメータの試作機では習熟度が向上することがわかった.文献[38]で指摘されているように,このように上達する喜びを味わうことが出来る装置は,障害を持つ人にとって向上心を刺激するものと思われる.今後ともこのような観点に立った装置の開発が必要であると思われる. リミットスイッチによる装置は,ポインタの移動速度は,切り替えであったため,操作時の移動速度を任意に変えることができなかった.直動型ポテンショメータでは,任意の角度にポインタを移動させることができたが,操作性や滑らかな曲線移動にポテンショメータの装着位置等の改良の余地を残した.装置の軽量化や脱着機構などの開発は今後の課題である.

Shoichiro FUJISAWA