: 微分の再定義
: 微分
: 微分
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大分道草を食べましたが,再び最初に扱った変分問題に戻りましょう。
それは汎関数
を条件
で最小化するものでした。
この問題について,を関数の集合
から
への写像
について何らかの意味の微分の概念を導入し
実数値関数の極小条件
のような扱いはできないだろうかという動機で,前章までに,
まず定義域である関数の集合についての数学的構造を調べました。
をその部分集合として含むなどは関数空間と呼ばれ,特に
Banach空間というものになっていました。
これには,要素
の加算と,係数体の元
によるスカラー倍という代数的な構造(線形空間の構造)が定義され,
要素
にはノルムも定義され,
さらに実数の集合のような収束の扱いも可能でした。
ここでは本題の,これら関数空間上での微分の概念を扱うことにします。
そのためには
微分という概念が必要になってきます。
また,集合だけではなくそれに付随した
も用いることになります。
: 微分の再定義
: 微分
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Yasunari SHIDAMA