: の線形性と連続性
: 微分と微分
: 微分の再定義
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ここで
という空間を考えます。
に対して,
よって
また
さらに,
に対して
とすると は前章で扱ったノルム空間です。
に付随したを導入した理由は,次によります。
はバナハ空間の部分集合ではありますが,これの任意の
元
については
となって
また
であるので
です。つまりは線形空間の構造は持っていません。
ただし
よって
です。
また,
とすると
です。
ここでとすると
より
「線形空間もどき」の性質があるわけです。
この空間を(線形空間 をともなう) アフィン空間とよびます。
自身は線形空間ではないが,の元を一つ固定して原点のように
扱えば,
は線形空間になっています。またに変動として
を加えたもの元になっています。
以上によって変分法の第1章の議論を再び持ち出すことが可能になりました。
すなわち,まず
とおきます。上の写像
について,
であり,第1章の計算を繰り返して
を得ます。
さてここで,とすると
このとき(1.5)式の
は
で定義するべきでしょう。
の任意性を考えれば,上の式はから
への写像
を定義しているものと考えらます。
: の線形性と連続性
: 微分と微分
: 微分の再定義
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Yasunari SHIDAMA