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状態変数のうち直接測定できない変数を、測定可能な変数から推定する装置が状
態観測器である。
いま、与えられたプラントのシステム方程式を
とする。
は可観測とし、
のみが測定可能とする。ここで
図4.23のように、プラントと同じ構造のモデルを並列に接続し、出力の誤差
を
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(4.316) |
のように検出する。ここで
は推定値
を意味する。この誤差に
なる重みを掛けて
の所
にフィードバックさせる。このモデルが収束すれば、その時の
は
に追随をし、したがって
から全状態変数が観測できる。このような観測器を
Luenbergerの状態観測器、または同形観測器という。
この場合
は
が
になるように選定さ
れる。
図 4.23:
|
図より
と書ける。いま状態変数の誤差を
とすると
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(4.318) |
である。これに(4.315)、(4.318)式を代入すると
となる。初期誤差
に対し
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(4.320) |
となるようにすれば収束をする。その為には
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(4.321) |
の根がすべて単位円内にあるように、すなわち
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(4.322) |
となるように
を選定する。
一般に行列の行列式は、その行列を転置しても変わらない。すなわち
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(4.323) |
である。そこでいま
というような系を考える。この系の閉ループの特性方程式は
であり、(4.324)式に等しい。したがって、観測器が収束するような
を選定するには、(4.325)、(4.326)式の閉ループ
系が漸近安定となる
を求めればよい。
それには4.6節(4)項で述べた極配置法または4.7節で述べた
最適制御法等を用いて決定することができる。
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Yasunari SHIDAMA
平成15年6月30日