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サーボ系の最短時間制御

制御の最短時間$t$
\begin{displaymath}
t = \int\mathrm{d}t =
\int\frac{1}{\frac{\mathrm{d}\vareps...
...silon =
\int \frac{1}{\dot{\varepsilon}}\mathrm{d}\varepsilon
\end{displaymath} (5.205)

で求められる。これは、図5.43のような$\varepsilon$ $
\frac{1}{\dot{\varepsilon}}$ を軸とした面の上に軌道を描いた場合、斜線で示す部分の面積が経過時間に該当する。 したがって同図(a)の場合が最短時間応答であることがわかる。 このことは原点を通る軌道を切換線とすれば最短時間制御が行えることを示して いる。
図 5.43:
\includegraphics[scale=0.60]{eps/5-4-16.eps}

そこで図5.44のようなサーボ系の場合、図5.45に示すような 原点を通る軌道を切換線とする。そのとき$A \sim E$のどの初期値から出発して も $A^{\prime} \sim E^{\prime} $点で切換えが行われ原点に到達し、これが最 短時間となる。実際には図5.44に示すように誤差$e$と、その速度 $\dot{e}$とを(5.184)式を満たす関係で合成してオン・オフ要素に加 える。図5.46はこの場合の応答を示し比例制御($\zeta=0.6$)の場合 と比較してあり、オン・オフ制御の方が迅速に目標値に落ち着くことがわかる。

図 5.44:
\includegraphics[scale=0.60]{eps/5-4-17.eps}
図 5.45:
\includegraphics[scale=0.60]{eps/5-4-18.eps}
図 5.46:
\includegraphics[scale=0.60]{eps/5-4-19.eps}


Yasunari SHIDAMA
平成15年7月28日