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スウェーデンで1975年頃Swedish社によって開発された方式で,図2.3のように車輪の外周に45度傾斜したビヤ樽形のフリーローラが配置された構造になっている.このMechanum Wheelと呼ばれる車輪を4個配置し,各々の車輪の回転方向,回転数を制御することにより全方向移動ができる.この原理を説明すると,4輪をすべてを正転させると,図2.4のように4輪ともフリーローラのため進まないように思われるが,ローラが45度傾斜しており前輪は逆「ハ」の字,後輪は「ハ」の字形に配置される形になっているため,前輪では外側の推力が打ち消され,後輪では内側の推力が打ち消される形となり,前後輪とも前進方向の推力が残り,前進することになる.横方向移動は,はす向かいの車輪を対として一方を正転,他方を逆転させると,推力のベクトルは左右方向になる.前後輪の右側及び左側の車輪を対にして正転と逆転させると右あるいは左にスピンターンする.車輪の構造が複雑なために,実用化の妨げとなっている.
Figure:
Mechanum Wheel
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Figure:
Mechanum Wheel の配置
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Shoichiro FUJISAWA