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全方向移動型完全球形ロボットの概要と特徴

近年,各種の移動ロボット[25]の提案や開発が行われている.このような移動ロボットの目的は,工業用からホビィーまで多様であるが,特にその中でも新しい移動形態をもつ次世代ロボットの開発が注目されている.このような中で,次世代を担う新しいタイプのロボットが多くの研究者によって行われている.その一つとして,完全球形ロボットの開発・研究が報告されている.このロボットの構造は,球形の車輪の中に二輪駆動車を内蔵した一輪車形の全方向形移動ロボットがある.しかし,球殻車輪の中に内蔵する駆動機構に二輪車を採用しているため,クランク走行のような直角に曲がる走行の場合,瞬時の移動が不可能である.その場合は,一旦二輪駆動車をその場回転させて方向を変える必要がある.このような移動の場合を非-ホロノミックな拘束を受ける移動体と呼ばれている.それに対して我々はすでに,瞬時にあらゆる方向に移動が可能なホロノミックな拘束を受ける全方向移動装置の開発を行った.そこで,このODVを球殻車輪の中に内蔵する駆動機構に採用することを考えた.この移動装置を製作し,走行試験を行った.特に,その装置は瞬時に内蔵の駆動機構の車体の向きを変えることなくあらゆる方向に移動が可能である.今回は駆動機構に姿勢制御を行っていないため,不安定な走行となったものの,ホロノミックな走行が可能なことが確認できた.また,全方向移動装置の運動の式を適用して,球形ロボットの運動の式を導いた.この装置が任意の方向に瞬時に移動が可能であることを確認した.

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Shoichiro FUJISAWA